内容説明
江戸川柳の中に江戸庶民の生きる姿を見る!世の中を正面から見据え、また裏から眺め、ときに斜に構えて詠んだ古川柳は風刺と滑稽と笑いを包み込んで、庶民の生活と哀感、さらに百万都市江戸の姿を映し出している。
目次
第1章 江戸川柳(古川柳)について
第2章 古川柳に見る江戸の四季と習俗
第3章 古川柳に見る江戸の町と庶民の生活
第4章 江戸の迷信・俗信と古川柳
第5章 江戸の祭りと古川柳
第6章 江戸川柳が描く芝居・相撲・富籖
第7章 古川柳と江戸の女たち
第8章 江戸川柳が描く吉原の姿
第9章 神話・伝説や歴史上の人物と江戸川柳
第10章 佳句の多い『誹風流多留』初篇
著者等紹介
吉澤靖[ヨシザワヤスシ]
1933(昭和8)年。長野県生まれ。東京教育大学文学部卒。都立八王子東高等学校校長、全国高等学校国語研究連合会会長、昭和学院短期大学教授などを歴任。現在、全国高等学校国語研究連合会顧問。各方面で、江戸川柳に関わる講座、講演を担当している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ネギっ子gen
43
【こしかたを思ふなみだは耳へ入(いり)『柳多留拾遺』】風刺と滑稽と笑いを包み込んで、庶民の生活と哀感と百万都市・江戸の姿を映し出す古川柳。その七百句以上を紹介した、江戸川柳の読解と鑑賞のための入門書。巻末に、江戸の主な行事・祭り等の一覧。「穴ぐらでものいふやうな綿ぼうし」<江戸の花嫁。綿帽子は、真綿を平たくして作った女性のかぶりもので、婚礼のとき、新婦が顔を覆う。話す声は小さく、くぐもった声になる>。「九十九夜車にばかり瑕を付け」<小野小町に恋慕した深草の少将の悲劇も、古川柳ではからかいの対象である>。⇒2024/06/18