牛鬼の滝

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  • サイズ B6判/ページ数 290p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784880084787
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0095

内容説明

民俗伝奇小説集第9弾!奥深い熊野。そこに暮らす山びとが出会う、狸、猪、雉、狼、そして秘境の滝に棲む妖怪牛鬼。人と動物をめぐる五つの物語。石井遊佳(芥川賞作家)他執筆の月報付き。

著者等紹介

宇江敏勝[ウエトシカツ]
1937年、三重県尾鷲市の炭焼きの家に生まれる。1957年、和歌山県立熊野高校を卒業後、紀伊半島の山中で林業労働にたずさわるかたわら、文学を学ぶ。現在、作家、林業、熊野古道語り部。文芸同人誌『VIKING』同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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田中峰和

4
猟師や炭焼き、木こりが暮らす奥深い熊野は70数年前の戦中戦後でも、明治か大正時代を感じさせる文明とは隔絶された世界がある。狸や猪、雉の猟が日常の人々の中には、狸にばかされると信じる者までいる。腕利きの猟師が狸の住む穴を見つけ、その中に侵入した途端、落盤で出口を塞がれ死んでしまう。また、表題の「牛鬼の滝」では、信仰心のない男が神聖な滝つぼの近くの魚を殺生して、その報いからか滑落して野犬の餌になってしまう。文明とは隔絶されて暮らす人々だが、戦争未亡人として再婚後、夫が帰ってくる不幸に見舞われたりもする。2020/01/08

isutabi

0
【感想】においと音と闇と光。自然のなかで感覚は膨らむ。野生に近く、野性を残しつつ、ニンゲンとして生きる人びと。みんな貧しく、金は欲しいがあくせくはしてない。この辺が人と自然の共存の落としどころかもしれないです。「持続可能な開発」なんて正気と思えないようなことを言ってるよりは。 【内容】戦後からさほど経ていない頃、これから高度経済成長が始まるかもしれないがその少し前の熊野の山で暮らす人びとの短編集。 【一行目】砂平宗助の後ろ姿を見ながらずっとついて歩いた。(表題作)2021/10/23

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