内容説明
金次郎の像はいったい誰がどんな目的のために、校庭に置いていったのか。そもそもなぜこんな像がひろまったのか。いま金次郎像は衰退期を迎えている。いったいなぜか。一度はピークを迎えたこの像は、どのような理由で校庭から姿を消したのか。金次郎像をながめていると、いろいろな疑問がわいてくる。そして、この本もそうした疑問から始まっている。
目次
金次郎のミソロジー
幸田露伴とジョン・バンヤン
国民のアイドルとして
校庭に石像が建った時
銅像の街
銅像のトポロジー―小田原・高岡・大阪
床の間をめざして
アイドルが戦地へおもむく時
日本のアブラハム・リンカーン
よみがえる金次郎
夢と希望の図像学
アイドルの老衰、そして延命
クライシスがうみだしたもの
産業考古学としての金次郎
『帝都物語』
かくされたアイドル
東京都23区内小学校二宮金次郎像全調査