内容説明
東洋史の的確な時代区分で知られ、日本の近代史学の礎を築いたといわれる不世出の巨人・内藤湖南。過去と現代への絶えざる視線の往還の中から近代史学を未到の領域へと拓いていった湖南の思想を根底的に読み抜くことを通して、中国と日本ひいてはアジアの近代とは何であるかを問い直す。東アジアの新しい共存関係が模索される中、思考と史論の光源としての湖南を媒介にわれわれの「いま」を考える。
目次
1 湖南における歴史・文化・政治(内藤湖南の歴史認識とその背景;湖南の中国文化論と政治論)
2 湖南とその時代―日本と中国の近代(内藤湖南と同時代―日本の天職論をめぐって;内藤湖南と辛亥革命―もう一つの「近代」 ほか)
3 湖南の史学(内藤湖南と京都文化史学;内藤湖南の中世貴族成立の論理―『支那中古の文化』の分析を通して ほか)
4 戦後社会と内藤湖南(戦後の内藤湖南批判について―増淵龍夫の場合)
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