内容説明
18世紀という不均質で緩やかな時空間にあって、互いにきわめて遠い存在でしかなかったアジアとヨーロッパは、どのように自らの他者を見出したのか。東西の異文化の深層に横たわる共通性=「差異の普遍性」の微かな感触をてがかりに、まだ見ぬ他者を理解しようと果敢に試みた18世紀の人々。その熱い視線の交錯に初めて多面的に光をあてることを通して、18世紀の世界空間を新たな視覚から考察すると同時に、市場による一元化が進行する現代世界にも鋭い一石を投じた精緻な論考集。
目次
第1部 十八世紀世界のなかのヨーロッパ、中国および日本(十八世紀におけるヨーロッパと極東の間の文化の伝達者について―方法の問題;ヴォルテールから得られる教訓―十八世紀研究の真の普遍性に向けて;東洋的残酷さについて;日本の鎖国を前にしたケンペル、フランスの哲学者たち、およびカント―十八世紀ヨーロッパ思想における「摂理」と「商業の精神」 ほか)
第2部 文明の拡散と受容 東方への眼差し、東方からの眼差し(『両インド史』の十八世紀ロシアにおける翻訳―『中国人についての政治的考察』を例として;批評家と歴史家としての翻訳者―『両インド史』ドイツ語翻訳における中国と日本の表象について;十八世紀のフランスとドイツの百科事典類における日本のイメージ;複数の顔を持つ孔子―啓蒙の時代のヨーロッパにおいて ほか)
著者等紹介
中川久定[ナカガワヒサヤス]
河合文化教育研究所主任研究員。専門、18世紀フランス文学・思想
シュローバハ,ヨヘン[シュローバハ,ヨヘン][Schlobach,Jochen]
ザールラント大学(ドイツ)教授(故人)。専門、フランス思想、独仏文化交流、歴史論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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