内容説明
19世紀の作家ホーソーンからフォークナー、モリスン、現代のアジア系アメリカンの作家まで、幅広くアメリカ文学を論じる本書は、コンテクストとインターテクストという視点から、作品の特徴や相互影響関係を検討する。テクスト同士の、またテクストとコンテクストの交響を聞き取りながら、響き合う読みの創出へと誘う論考群。
目次
第1部 テクストとコンテクスト(アプトン・シンクレア 歴史のなかの『ジャングル』―描かれたもの、こぼれ落ちたもの、読まれ方の問題;トマス・ウルフ インフルエンザ・パンデミックと戦争とトマス・ウルフ的想像力―『天使よ、故郷を見よ』;シンクレア・ルイス アメリカン・ディストピア小説としての『ここでは起こり得ない』;ウィリアム・フォークナー 『スノープス』三部作の意味と意義;ラルフ・エリスン 『見えない人間』の技法と主題とテクスト)
第2部 コンテクストの共有(ホーソーンの継承者としてのフォークナー 『七破風の屋敷』と『行け、モーセ』における人種とジェンダー表象;ストウの『アンクル・トムの小屋』を書き直すトニ・モリスン 『ビラヴド』再考;二人のマーガレットの南北戦争小説 ミッチェルの『風と共に去りぬ』とウォーカーの『ジュビリー』;ノーノー・ボーイズ ウィリアム・フォークナー、ジョン・オカダ、エドワード・ミヤカワ;戦争、軍隊、性暴力とジェンダー ノラ・オッジャ・ケラーの『フォックス・ガール』とチャンネ・リーの『降伏した者』)
終章 フォークナーと三人の日本作家―芥川龍之介、太宰治、村上春樹
著者等紹介
山下昇[ヤマシタノボル]
相愛大学名誉教授。専攻はアメリカ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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