内容説明
モスクワ大公国の確立期、一五世紀初めから一六世紀中葉にかけて書かれた『ヴォロコラムスク修道院聖者列伝』など八編の聖者伝文学を訳載。荒野修道院の理想時代の聖者伝の正典性に基きつつ発達したこれら聖者伝文学は、豊かな多様性を示すとともに、社会的・精神的安定の背後にひそむ闇の存在も垣間見せる。
目次
悪魔に乗って旅したノヴゴロドのイオアンについての物語
ローマ人アントーニイ伝
ボロフスクのパフヌーチイの死についての物語
ヴォロコラムスク修道院聖者列伝
ベロオゼロのフェラポント伝
ベロオゼロのマルチニアン伝
ワラアム修道院についての物語
ソロフキのゾシマとサッヴァーチイ伝