東欧の想像力<br> 通達/謁見

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東欧の想像力
通達/謁見

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  • サイズ 46判/ページ数 248p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784879844163
  • NDC分類 989.52
  • Cコード C0397

内容説明

チェコスロヴァキアの民主化運動を牽引し、のちに大統領に就任したヴァーツラフ・ハヴェル。しかし彼の本領は、「言葉の力」を駆使した戯曲の執筆にあった。官僚組織に人工言語「プティデペ」が導入される顛末を描いた『通達』、ビール工場を舞台に上司が部下に奇妙な取引をもちかける『謁見』の二編を収め、「力なき者たちの力」を考究したこの特異な作家の、不条理かつユーモラスな作品世界へ誘う戯曲集。

著者等紹介

ハヴェル,ヴァーツラフ[ハヴェル,ヴァーツラフ] [Havel,V〓clav]
1936‐2011。プラハ有数の富裕な家庭に生まれるも、第二次大戦後にチェコスロヴァキアが社会主義体制になると財産を没収され、ブルジョア家庭の出自のため進路にも掣肘が加えられた。兵役終了後にプラハのABC劇場に職を得、演劇の道に入る。のち欄干劇場に移り、「不条理演劇」の表現の多様性を追求する戯曲を執筆した。「ビロード革命」で民主化運動を主導した「市民フォーラム」でも中心的な役割を果たし、のちには大統領に就任している。晩年、戯曲「サナトリウム」を執筆していたが、脱稿は叶わず、2011年12月に逝去した

阿部賢一[アベケンイチ]
東京外国語大学大学院博士後期課程修了、博士(文学)。パリ第4大学(DEA取得)、カレル大学で学ぶ。現在、東京大学大学院人文社会系研究科准教授。専門は、中東欧文学、比較文学。主な著書に『複数形のプラハ』(人文書院)、『カレル・タイゲ ポエジーの探求者』(水声社)など。訳書に、パトリク・オウジェドニーク『エウロペアナ』(共訳、白水社、第一回日本翻訳大賞)などがある

豊島美波[トヨシマミナミ]
東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了(現代文芸論)。現在、カレル大学修士課程(哲学部チェコ学科及び演劇学科)在籍。2020年度スザンナ・ロート翻訳コンテスト最優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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きゅー

9
後にチェコスロバキア大統領になるヴァーツラフが、劇作家・劇団員として活動していた時期に書いた「通達」「謁見」の戯曲2編を収録。「通達」はチェコのお家芸である、官僚組織へのユーモア溢れた批判劇。カレル・チャペックやハシェク、あるいはお隣ポーランドのスワヴォーミル・ムロージェクなどによる作品の雰囲気がとても近い。本作は、官僚通達文書のために作られた人工言語プティデペにかかわる騒動の物語となっている。四角四面なお役所手続きと、それに翻弄される局長。「通達」といういかにも堅苦しいタイトルとの対比もおかしい。2022/10/14

Mark.jr

4
社会主義後のチェコの初代大統領であり、同国を代表する劇作家でもあるVclav Havel。そんな著者の代表作2本を収録した本になります。役所で運用され始めた新言語のゴタゴタを描く「通達」は、不条理演劇の影響を強く感じますが、言語遊戯的方向にあまり進まず、あくまで当時の社会状況の風刺として使っている所が、ベケットととの違いと言えます。他方、一幕劇の「謁見」は、著者の自伝的要素がある分、通達」よりも苦悩や葛藤を強く感じます。しかし、これが不条理なら、少なくとも今の日本社会は不条理演劇的世界ですよね...。2024/04/18

warimachi

3
作者はチェコスロバキアの大統領を務めた人物とのことだが、作風はカフカに似た雰囲気があって、こういうものを書く人が政治に携わっていたという事実が既に面白い気がする。2022/05/01

フクロウ

2
多義性や感情を排した人工言語を使用し続ければ、やがて人間性を失うだろう。そして、それこそは旧東側諸国の現実だったのではないか。劇作家にしてのちにチェコスロヴァキアの大統領となるヴァーツラフ・ハヴェルの戯曲2作。「政治」が「芸術」に無関心、どころか、絶えず「敵視」「攻撃」「懐柔」を目論む2023年我が国と、ソ連の影響下にあった時代のチェコスロヴァキアの距離は、存外、近いのかもしれない。金沢市役所前広場事件(最3判令和5年2月21日)判決が出された今、よりそう思う。しかし、政治には芸術が不可欠である。2023/02/26

gkmond

0
通達、謁見とも繰り返しが多いのだけど、通達がシーシュポスの話を連想させたのに対して謁見は認知症を連想させた。前者は笑いと不気味の真ん中くらいで後者は息苦しさが強かった。通達のほうが面白く感じたのはなんでなんだろうか。2022/12/02

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