東欧の想像力<br> 宰相の象の物語

個数:
  • ポイントキャンペーン

東欧の想像力
宰相の象の物語

  • 在庫が僅少です。通常、3~7日後に出荷されます
    ※事情により出荷が遅れたり、在庫切れとなる場合もございます。
    ※他のご注文品がすべて揃ってからの発送が原則となります(ご予約品を除く)。
    ※複数冊ご注文の場合にはお取り寄せとなり1~3週間程度かかります。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷予定日】
    ■通常、3~7日後に出荷されます

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫状況は刻々と変化しており、ご注文手続き中やご注文後に在庫切れとなることがございます。
    ◆出荷予定日は確定ではなく、表示よりも出荷が遅れる場合が一部にございます。
    ◆複数冊をご注文の場合には全冊がお取り寄せとなります。お取り寄せの場合の納期や入手可否についてはこちらをご参照ください。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784879843692
  • NDC分類 989.23
  • Cコード C0397

内容説明

恐怖政治を布く強大な権力者が、ふとした気まぐれから一頭の仔象を飼いはじめる。街中を無邪気に暴れまわる象は、人々の憎悪を集め―権力への民衆の忍従と抵抗を描いた表題作はじめ、ノーベル賞作家アンドリッチが自らの「小祖国」ボスニアを舞台に紡いだ4作品を収録。

著者等紹介

アンドリッチ,イヴォ[アンドリッチ,イヴォ] [Andri´c,Ivo]
1892‐1975。ボスニアの地方都市トラーヴニク近郊で生を享ける。二歳の時に父が病没、父方の叔母夫妻のもとで育った。サライェヴォのギムナジウムに進学、独仏などの外国文学に親しむ。ザグレブ大学、ウィーン大学などで学業を修めつつ、創作にも取り組んだ。長じて外交官の道に進み、各国での勤務のかたわら創作も継続、1924年には最初の作品集『短編小説集』を刊行。1939年にはドイツ大使としてベルリンに駐在、ヒトラーの権勢を目の当たりにする。ドイツによるユーゴスラヴィア侵攻後、公職を退き、占領下のベオグラードで創作に専念した。ドイツ撤退後に公職復帰するとともに『ドリナの橋』をはじめ代表作を相次いで発表、作家としての地位を確立する。諸外国での翻訳紹介も進み、1961年には「自国の歴史の主題と運命を叙述し得た叙事詩的筆力に対して」ノーベル文学賞を授与された。1975年、82歳で死去

栗原成郎[クリハラシゲオ]
1934年、東京生まれ。東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。東京大学名誉教授。博士(文学)。専攻はスラヴ文献学・スラヴ言語文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

燃えつきた棒

42
テオ・アンゲロプロスの映画「ユリシーズの瞳」との出会いが、僕をイヴォ・アンドリッチ「ドリナの橋」へと導いてくれた。 アンドリッチの文章は、乾いた地面に降る雨のように僕の心に沁みてくる。 全作品を踏破したい作家の一人だ。 普段なら、読み始めてしばらくすれば、他の本へと関心が移ってしまう僕なのに、今回も一気に最後まで読めた。2019/06/25

em

22
物語るという行為でしか表すことのできない、民族の魂のようなもの――それを感じさせてくれる書き手というのは稀で、私にとってこの作家はその一人。旧ユーゴスラビアの人であり、オスマン帝国の属州からオーストリア=ハンガリー帝国の占領下となったボスニアの人。『ボスニア物語』や『ドリナの橋』で訪れた土地を、約一年ぶりに再訪した(紙の上で)。「人が物語る現実世界よりも現実世界についての自分たちの物語のほうをはるかに大切に」するという、この辺境の地の人々の静かな、しかし穏やかではないドラマに惹きつけられる。2018/12/10

星落秋風五丈原

20
気に入らない国王を倒すフランスのような国ばかりではないのだな。密かに反逆を企み親玉が倒れれば象をすぐさま殺す民衆をしたたかと見るか。権力者が去ったかと思えばまた次の権力者がやって来て民はしたたかに受け入れる。今回の象は、虐げられた象が最後に人間にリベンジする 宮沢賢治 の『オッベルと象』の対極にいる。権力者にはぶつけられなかった怒りが悪意なき怪物=象にぶつけられる。2018/12/19

ネムル

18
アンドリッチの中短編集、為政者による恐怖政治を描く表題作が特に良い。「権力は無邪気に行使される」とは帯の惹句だが、政治家はさして民衆に興味も関心もないとは、ニュースを見ずともよくわかる。して、その抵抗はといえば、やはり東欧文学らしく慎ましくささやかなものではある。が、「物語る」という行為を通して、連帯と滑稽とペーソスを伴いながら溜飲を下げる。そこにアンドリッチの道化た叙事詩を読む妙味がある。訳者あとがきにあるノーベル賞受賞講演(シェヘラザードに倣うアンドリッチ)もまた面白い。2020/10/10

きゅー

15
ボスニアを舞台とした4作品が収録。「宰相の象の物語」において、イヴォ・アンドリッチは悪にまつわる物語を書いている。しかしそれは、宰相の悪ではない。恐怖のあまり何もしようとしない小市民、誰かを身代わりにして自分が助かろうとする普通の人々の心の弱さの物語だ。彼らに比べれば、宰相は正しい人間では全く無いけれど、潔く自分の死を選ぶという点では勇敢でもある。アンドリッチはしばしばこのように、弱さゆえに無力な人々を詳細に描こうとする。2020/10/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13293676
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。