内容説明
ヨーロッパの縮図と言われる国、ベルギー。ゲルマンとラテンの文化が拮抗するこの国で、芸術はそのアイデンティティーをいかに探ってきたか。言語圏の垣根を越えたアプローチが可能な「視覚」の芸術を媒介項に、分野を横断した論考群でベルギー文化の独自性に迫る。全言語圏を視野に入れてベルギーの芸術を論じ、人文学を中心とした新たな学術領域「ベルギー学」の構築を目指す。
目次
1 マーテルランクと絵画―『幼児虐殺』を通してフランドル性を“視る”
2 ベルギーにおける「現実的幻想」の系譜―文学と絵画における「ベルギー的」美学の源泉を求めて
3 1920年代末のポール・ヌジェとルネ・マグリットによるイメージ論―「孤立」をめぐって
4 インファンスの絵画―ミショーとドゥルーズ
5 アニメーションにおける幻想の系譜―ラウル・セルヴェの「抵抗」について
6 C’est si loinmais ici―アンドレ・デルヴォーの映画を聴く
著者等紹介
三田順[ミタジュン]
北里大学一般教育部講師。専攻は比較文学(ベルギーにおける象徴主義文学、美術)。博士(学術、一橋大学)
岩本和子[イワモトカズコ]
神戸大学大学院国際文化学研究科教授。専攻はフランス語圏文学・芸術文化論(ベルギーのフランス語文学、スタンダール研究)。博士(文学、神戸大学)
吹田映子[スイタエイコ]
筑波大学グローバルコミュニケーション教育センター特任研究員。専攻は西洋美術史、美学
田母神顯二郎[タモガミケンジロウ]
明治大学文学部教授。専攻はフランス近現代詩およびフランス現代思想。博士(文学、パリ第8大学)
的場寿光[マトバトシミツ]
神戸大学非常勤講師。専攻はフランス文学(20世紀フランス文学研究)。博士(文学、神戸大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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