出版社内容情報
●内容紹介(版元ドットコムより)
イタリア世紀転換期の作家ダヌンツィオが、〈薔薇小説〉三部作と称して書き継いだ、『快楽』『罪なき者』に続く代表作。心中という避けがたい結末に向かうひと組の男女がたどる心理のもつれを、美とリズムと音楽を備えた散文で精緻に描きだす。三島由紀夫はこの作品をもとに「岬にての物語」を書いた。名訳手・脇功、渾身の訳業。
内容説明
ひと組の男女が、心中という結末に向かって避けがたく流されてゆく―その過程がたどる複雑な心理のもつれを、多彩な響きとリズムを備えた交響楽の如き美しい文体で描き出す。
著者等紹介
ダヌンツィオ,ガブリエーレ[ダヌンツィオ,ガブリエーレ][D’Annunzio,Gabriele]
1863年、イタリアの港町ペスカーラに生まれる。学業優秀ながら品行不公正の少年時代を送り、16歳で第一詩集『早春』を出版。ローマ社交界に取材した長編小説『快楽』によって文壇に地位を確立する。続いて発表した『罪なき者』によって、その文名はヨーロッパ中に知られるところとなった。右翼・左翼の両陣営から選挙に出馬したり、第一次大戦に52歳で兵役志願したり、さらにはパリ条約でイタリアへの割譲が許されなかったフィウメを、義勇軍を率いて占領したりするなど、生活や行動自体が、社会の注目の的であった
脇功[ワキイサオ]
イタリア文学者。1936年生まれ。1964年、京都大学大学院文学研究科博士課程修了。1968~70年イタリア政府給費留学生としてローマ大学文学部に留学。訳書に、アリオスト『狂えるオルランド』(名古屋大学出版会)―日本翻訳文化賞、ピコ・デッラ・ミランドラ賞受賞など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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