快楽―薔薇小説〈1〉

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  • サイズ B6判/ページ数 381p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784879842541
  • NDC分類 973
  • Cコード C0097

内容説明

19世紀末ローマの上流社会の爛熟・頽廃した文化を背景に、快楽主義と唯美主義に絡みとられた主人公の愛の遍歴を、豪華絢爛な文体で描く。

著者等紹介

ダヌンツィオ,ガブリエーレ[ダヌンツィオ,ガブリエーレ][D’Annunzio,Gabriele]
1863年、イタリアの港町ペスカーラに生まれる。学業優秀、品行不公正の少年時代を送り、16歳で第一詩集『早春』を出版。ローマ社交界に取材した長編小説『快楽』によって文壇に地位を確立する。『快楽』とともに「薔薇小説3部作」をなす『罪なき者』『死の勝利』といった小説や、『聖セバスティアンの殉教』などの戯曲を発表。その一方で、右翼・左翼の両陣営から選挙に出馬したり、第一次大戦に52歳で兵役志願したり、さらにはパリ条件でイタリアへの割譲が許されなかったフィウメを、義勇軍を率いて占領したりするなど、彼の生活や行動自体が、社会の注目の的であった。1938年3月、75歳で「無類の一生」を終える

脇功[ワキイサオ]
イタリア文学者。1936年生まれ。1964年、京都大学大学院文学研究科博士課程修了。1968~70年イタリア政府給費留学生としてローマ大学文学部に留学。訳書に、アリオスト『狂えるオルランド』(名古屋大学出版会)日本翻訳文化賞、ピコ・デッラ・ミランドラ賞受賞など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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syaori

28
青年貴族アンドレアの恋の物語。主に2人の女性との恋が描かれます。美しい未亡人エレーナとの情事と、エレーナに去られた後の放埓な生活が招いた決闘の傷を癒すために訪れた従姉妹の別荘での純真で善良な人妻マリアとの交流が。その後、再び彼の前に現れたエレーナとマリアとの間で、彼の愛の言葉を信じ「彼女の命の最も甘美な花をまき散らす」彼の腕の中のマリアにエレーナを重ね、「より多面的で、より完全な、真に理想的な女性」を求める部分の、破滅の予感を孕んだ「NUNC(今このとき)のみ」の甘い苦悩に息が詰まりそうになりました。2016/11/11

nightowl

3
詩や絵画を嗜む若きアンドレア・スペレッリ伯爵。彼の激しい恋情を綴った一冊。意識の流れや部屋の様子など事細かで一文一文が長い。その上、反復表現も多く読みにくさに苦労。そうしたこともあり作品の理解については、解説に大いに助けられた。豪奢な生活を送り、ひとときの恋にすべてを賭けながらも破滅の予感を漂わせている繊細な若者。当時のイタリアの時代背景を思うとただの放蕩者、と切って捨てられぬ物悲しさがある。ダヌンツィオの生涯についても触れられており、改めて物語のような人生に驚き。2014/01/02

caster1

2
イタリアの有名な古典らしいけど、初めて目にした。ドンフアン的な男の恋物語。浮気症、というよりは、本能のまま、感覚的に生きる人という印象。女性にいう口説き文句も、嘘や駆け引きじゃなく、本心を言葉にしているんだと思う(少なくともエレーナとドンナ・マリアの二人に対しては)。人によっては嫌悪しか感じないだろうけど、個人的にはそんなに嫌いじゃない。2010/05/07

スプーン

1
イタリア人青年の屈折した恋愛感情を描いた小説。文人達が魅了されたダヌンツィオの世界は、確かに魅力的。思ったよりも読みやすかったです。2015/04/29

のせなーだ

0
lo pasé bien en el mundo de esta historia.★★★2014/03/24

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