出版社内容情報
一八世紀のユダヤ人金融業者、ヨーゼフ・ジュース・オッペンハイマーの生涯をたどる伝記。その才覚によって権力の中枢へ接近していくジュース・オッペンハイマー。ヴュルテンベルク公爵カール・アレクサンダーに見出されたジュースは、この開明的な君主の財務コンサルタントとして活躍、その栄達を極める。しかし、公爵の急死によって事態は一変。公爵死後の権力闘争に巻きこまれるかたちでジュースは投獄され、罪状も明らかでない裁判によって不当に死刑判決を受け、ついには刑死にいたる。その劇的な生涯を、厖大な歴史的資料に基づいて描き出す。
内容説明
硬直せる官僚機構と都市貴族の支配に挑む、二世代早く生まれすぎた金融業者ヨーゼフ・ジュース・オッペンハイマー。この自由思想家にして司法の犠牲者の劇的人生を、膨大な裁判資料を用いて描き出す。
目次
霧のなかの出生?
ハイデルベルクのジュースキント一族
ハイデルベルク・ユダヤ教区
マンハイムにおける社会的昇進
選帝プファルツ公印用紙賃借り人
ダルムシュタットの貨幣製造者
フランクフルトへの移住
ヴュルテンベルクの宮廷環境
シュトゥットガルト造幣所
公爵の相談役〔ほか〕
著者等紹介
木庭宏[キバヒロシ]
1968年大阪市立大学大学院文学研究科修士課程修了。1993年博士(文学)(大阪市立大学)。神戸大学名誉教授。専攻、ドイツ文学、民族社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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