内容説明
京都の町を走る京阪電車の扉が静かに閉まる。無人の駅にひとり降りたつ美しい若者―彼こそ、かの光源氏の孫君。何かが彼にささやいている、彼の求めるものが、何世紀もの長きにわたって探し求めてきた「隠された庭園」が、この地にある、と。しかし―ハンガリーの想像力が“日本”と出会うとき。
著者等紹介
ラースロー,クラスナホルカイ[ラースロー,クラスナホルカイ][L´aszl´o,Krasznahorkai]
ハンガリーの小説家。1954年、ハンガリー南東部の町ジュラに生まれる。出版社勤務を経て1983年から作家活動を展開。2000年に半年間、また2005年にも、国際交流基金招聘フェローとして京都に滞在した
早稲田みか[ワセダミカ]
国際基督教大学卒業、一橋大学大学院修了。大阪外国語大学教授。専攻はハンガリー語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベイマックス
66
これは小説なのか?との疑問には、なら小説とは何かと問われそうだけど…。読みづらく、理解しづらいものだった。2026/01/19
hiroizm
24
読書会仲間と共同制作のポッドキャスト課題本のため再読。現代京都を彷徨いながら伝統文化から生物学、地質学、無限を巡る問題まで思考の飛躍楽しい随想文学。再読にあたりアマゾンで買おうとしたら1万円超の高値ついていてびっくり。色々調べたらスーザン・ソンタグが「ゴーゴリーとメルヴィルに並び立つハンガリーの黙示録の巨匠」と絶賛、マン・ブッカー国際賞など有名な文学賞も受賞してる実は大物作家。この本も英語等に翻訳されあちらの書評も概ね好評だし、これまでに2回国際交流基金で来日し(続く)2024/05/17
hiroizm
23
ノーベル文学賞候補に挙げられる作家と聞いて読書。 京都を巡る虚実混在の随想文学。寺社建築や日本庭園を巡るだけかなと思いきや、「源氏の孫君」というキャラクターの設定、ヒノキを切り出す職人の技法からヒノキの生態、和紙の製法、庭石から地質学、仏教の世界観からカントールの集合論などへ飛躍する展開が面白かった。また京阪電鉄の駅の現代の情景描写がまたいい味。現代東京首都圏郊外新興住宅街育ちの自分には京都ってどっちかというと異郷感あるので、ラースローさんの視点の方に「ですよね〜」感強し。現代作家らしい知性を感じた。2021/01/30
kanki
21
寺の門は、別世界への入口、祈りと解放の場を見いだす。巨大さと壮大さの中に軽やかさがあり、並べられた瓦にはリズムがある。到来者は、庇護されていると感じる。機能として開かない扉は、中にずっとおられる、という意味。訳者あとがき「人の堕落と腐敗に絶望していた著者。日本では人間より外界に重きが置かれる、日本を通して、人間と外界の間にわずかな調和の可能性を感じた」2026/01/04
ふう
18
東福寺?を舞台に、源氏の孫?が放浪。ストーリーがどうのこうの、というより塔頭の宮大工の作法やら紙漉きやらおそらくは半年の日本滞在で得た様々な日本的要素が散りばめられて、摩訶不思議な世界。お供らしき男たちの不様さは笑ってしまうが恐水病の狐に13匹の金魚に、結構不気味。読みやすいけれど、どこに辿り着くのか最後までわからなかった。2026/02/15




