内容説明
フーコーが逝き、ドゥルーズが逝った。偉大な哲学者たちの死とともに哲学自体も死んだかに見える。後に残ったのは、退屈な訓古学と、大衆向きのモラルだけ。だが、本当にそれですべてか。アリエズはフランス哲学全体を精密に走査しながら、目立たないところで粘り強く続けられている新しい哲学の実験を拾いだし、それらを結びつけることによって、マス・メディアの表層を賑わすモラリズム談義よりはるかに重要な、深層における知の地殻変動を描きだす。その地図はわれわれに重要な秘密を教えてくれるだろう―哲学はいまも生きているのだという秘密を。
目次
第1部 哲学的哲学史の条件(概略―中世時代の思想;哲学史概略)
第2部 哲学のポジシオン(哲学に対する民主主義の優位;もうひとつの現場明細書;事象の教訓;トムの反例;暗示的計略;神に向かう現象学―それが贈与するもの ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bevel
3
最近聞かないし翻訳も読みやすくないのだけど、名著だと思うのよね。フランス哲学の条件としての、時代の関心と結びついた膨大の哲学史の蓄積についてサーベイ、現代フランス哲学のエピステーメーを超越論的なものと経験的なものの相互関係における振動に見ること、現象野における「贈与」=「絶対者」の現出のモチーフ、つまり「超越者の内在」というモチーフでサルトルからドゥルーズまでを全部説明しちゃうこととか。あと、1995年の本にも関わらず、ポスト分析哲学としてのプラグマティズムの位置づけもあんまり違和感ないところとか。2022/07/02
ちぬ
0
初めて読んだのは高校生のころ、フーコーに興味を持ったからだったと思う。最後に載ってる参考文献がフランス語なので、なるほど分からん状態だったような。図書室で借りた最後の本ですね。以降、借りていない。2012/07/24