出版社内容情報
ドゥルーズとの出会いからフーコー論まで、精神分析、第三世界、民族差別、麻薬現象、前衛美術……を語るガタリの分子的思考の全面展開。
内容説明
ドゥルーズとの出会いからフーコー論まで資本主義、精神分析、第三世界、メディア社会、民族差別、宗教的熱狂、思春期の意味、麻薬現象、前衛美術、カフカの小説…を語るガタリの分子的思考の全面展開。
目次
第1章 政治
第2章 分子的
第3章 過程的芸術
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bevel
4
一方で、とにかく何でもやってみようとか、頑張ったらなんとかなるというニュアンスがある。生産を邪魔する敵対勢力がミクロにもマクロにも存在していて、こいつらをなんとかしないといけない。他方で、その生産は非常に多くの要因(社会的、経済的、政治的、歴史的…)によって決定されるという理論がある。本当のところ、何が原因なのかわからないから、とにかく多くの要因を見いだそうといった仕方で、理論はこの「頑張り」を正当化する。うまくかみ合えば、要因に関わるものが「領土化」され、それはそのまま無意識における生産を意味する。2013/09/10
PukaPuka
1
この本を読むと,自由と民主主義は常に攻撃に曝され,政治状況は反復することを再認識させられる。原題は「冬の時代 1980-1985」であるが,ガタリの指摘,示唆,視座の提供,そして状況を打開するための方向性の呈示と鼓舞は,2015年の日本にも適用される。多くの人々が何を考え何を感じるかを指示する「巨大な社会機械にすっかり(自分を)預けてしまって」「種々のフィクションや懐古主義」「自分に見合った人種差別」に捕われている中,今の状況は「発展した社会の必然的な帰結ではない」ことを示す理論と実践が必要なのである。2015/10/19