出版社内容情報
愛と革命の詩人として知られるハイネは、ドイツ本国で近年とみに見直され、社会派ハイネ像がその散文によって明らかにされてきました。これらの作品は時代と蜜に関わるぶん、それだけ翻訳が難しく日本紹介がおくれていました。ここに多くを本邦初訳でお送りし、真実のハイネ像を浮かびあがらせます。
目次
イギリス断章(テムズ河での対話;ロンドン;イギリス人;ウォルター・スコット著『ナポレオン・ボナパルトの生涯』;オールド・ベイリー;新内閣;負債;野党;カトリック解放;ウェリントン;カースト制度の解放)
フランスの状態
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
7
「絶対主義の支配する国々にあっては‐中国北西部から…ロシアとプロイセン東部‐立憲代議政治を説教しようとしても許されぬことであろう。他方でしかし、王権神授説が諸侯や国民の間ですでに消失してしまったヨーロッパ大半の諸国では、絶対主義の講釈をすることも同じく非難に値する。…立憲君主制と絶対主義との相違点は、一機関が国王の個人意志に取って変わったことにある、と言えばよいのである。つまり、ごく簡単に邪路に導くことのできる個人意志に代わり、ひとつの機関が、変わることなき国家の諸原則の体系が、君臨するわけである。」2025/07/23