感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
wadaya
6
ホワイトヘッドによるプラトン論と言ってもよいだろう。全編に渡ってプラトンとアリストテレスを比較しながら過程と実在について論じ、神の正体と、我々人類の平安についての考察である。私は過程と実在とは「諸行無常」のことだと理解した。そしてそれは「宇宙」のことでもあるのだと思った。先ずはプラトンのイデアから話が展開されて行く。プラトンのイデアは直接には知覚できないもの、知覚を超越したところにあるものであり、それは唯一想起によって認識される。実は目に見える手に取って触れるものは不完全である。例えば今目の前にある→2022/07/19
smatsu
2
簡単に言うと観念が文明の発展に及ぼす力についての論考。学生時代に学校の講義で原書を訳しながら読んだのを思い出して懐かしかった。正直当時はまったく理解できなかったが、今読んでもやはりそんなに理解できなくて苦笑。担当教授はT村先生という方であったが、本書はルカーチ的な知識社会学の流れに通じるものだと説明して下さった覚えがある。しかし実際に本書の中ではルカーチにもマンハイムにも言及はないので、ちょっと微妙な気もする。当時流行っていたであろうマルクス的唯物論へのアンチテーゼなのかとも思うが言及は特にない。2025/04/29