出版社内容情報
明治時代にアメリカからジャーナリストとしてやってきたエリザ・シドモアは、日本のさくらに出会います。日本の風景の美しさ、さくらの美しさに感動した彼女は、さくら並木をワシントンDCにもつくろうと尽力します。そこには、さくらを愛し、平和を願う思いがあったのです。
著者等紹介
小手鞠るい[コデマリルイ]
1956年岡山県備前市生まれ。小説家。同志社大学法学部卒業。児童書、一般文芸など、著書多数
大野八生[オオノヤヨイ]
1969年千葉県生まれ。造園会社の仕事などを経てフリーに。イラストレーター、造園家。絵本や童話、教科書の挿絵などを多数手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
51
ワシントンの桜は有名ですが、その経緯はしりませんでした。明治時代、一人の若いアメリカ人女性が、兄が赴任していた日本を訪れ、人力車を使って日本国内を旅をして紀行本を出版。そこで桜の美しさに魅了されます。その桜を故郷のワシントンに移植することで、日米の平和に貢献できたらと実行に移すのが素晴らしい。大統領夫人、若き東京市長、日本人の実業家などが力を貸して実現する。エリザのお墓が日本にあること、そこに桜が植えられていること、桜の返礼として花水木が贈られたこと、どれも興味深いお話でした。2023/05/03
ヒラP@ehon.gohon
37
日本の桜ソメイヨシノが、アメリカのワシントンに咲いているということは知っていたのぇすが、その経緯については知らずにいました。 江戸時代という昔に、アメリカの女性が新聞記者として日本を訪れていることも知りませんでした。 大野八生さんのほのぼのとした絵で、語られているのは外交の歴史でもありました。 桜のころに読みたい絵本です。2023/06/04
鴨ミール
34
来年度の読み聞かせで使えそう。突然話が、昔の外国に場面が変わるので、そのあたりがわかる学年から。桜のお礼にハナミズキがアメリカから贈られていたのは知らなかったわ。2023/12/24
ゆっき
31
小手鞠るいさんの絵本。海をこえた桜のものがたり。日本で見た満開の桜をアメリカでも咲かせたいという夢を実現させたエリザの伝記。ワシントンDCのあのきれいな桜並木はこうやってアメリカに渡ったことを初めて知りました。2023/02/12
ちえ
28
ワシントンのポトマック川沿いの桜が日本の桜とは知っていたけれど、一人の女性の思いから始まったのね。一度は虫害で焼却処分されて二度目の輸送で実現したと最後の年表を見ながら実現までの道のりに思いを馳せた。そして今の季節目を引く花水木がアメリカからの返礼だったとは。良い絵本だった。2025/06/21