感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
48
小学校の校庭にある1本の木。原爆で被災したカイズカイブキの木(被爆樹木)。被爆にも耐え、一度は芽吹いたがある時、寿命が来てしまう。そこでパンフルートという楽器へと生まれ変わり、小学校の子供たちの元へ。優しい絵の雰囲気がお話にピッタリでした。パンフルートはどんな音色か調べてみたら、尺八のような日本人には心に染み入るようでした。現在の被爆樹木は160本。2020/10/08
papapapapal
44
舞台は広島。小学校の校庭で「被爆樹木」となった木が、パンフルートという笛に生まれ変わる、実話絵本。原発の中心地から約2km以内の場所で生き延び、再び芽吹いた木を「被爆樹木」と呼ぶのだそう。2020年現在、約160本が登録されている、とのこと。 校庭から子どもたちを見守り、一緒に歌うのを楽しみにしていた一本の木。戦争の理不尽さ、たくましく歌う子どもたちのこと、音楽を愛する気持ちが、この木の目線で、優しく語られる。何十年の時を越えて愛される木の、壮大な物語。2020/10/07
anne@灯れ松明の火
30
遠い方の新着棚で。予備知識なしで読み始め、戦争がテーマ(それもヒロシマ)だと気づき、驚いた。主人公は広島の小学校に植わっていたカイズカイブキの木。子どもたちを見守っていた木は被爆し、炎に包まれた。裸ん坊になった木は、それでもまた芽吹き、未来への希望となった。その木の命が終わりに近づき、木からパンフルートという楽器を作ることになる。被爆樹木は楽器になって、永遠に子どもたちを見守る……。こがしわかおりさんの優しい絵が合っている。パンフルートの音色を聞いてみたいと思い、動画を検索。優しい音色だった。2020/08/24
うー(今年も遅くなります)
24
〈平和絵本〉校庭に植えられていたカイヅカイブキ。子どもたちと生きてきた木は被爆後、奇跡的に再び芽吹き出した。その後長い年月生き抜いた木に終わりがきた時、95台ものパンフルート笛に生まれ変わった。工房のおじいさん「生きぬいた命を、これからはうたうことでみんなに伝えるんだよ」。。戦争の悲惨さ嘆きが、柔らかな絵で描かれていてしみる。2022/09/19
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
21
パンフルートという楽器を知らず、吹奏楽部の娘に聞きました。娘と二人この絵本を読みましたが、今度は娘が被爆樹木を知らず、思いのほか親子で語り合う時間になりました。広島に原爆が落とされ、その中心地から2キロメートルほどの千田小学校にあったカイヅカイブキ。命を吹き返した木から作られたパンフルート。3年かけて95台が千田小学校の合唱隊に贈られたそうです。2021/03/30