内容説明
大山倍達の精神・真髄を歴史に位置づけ、伝承するため、平岡正明が綴った名著が今ここに蘇る!極真空手からウイリー、猪木、アリ、『噂の真相』、健康、喧嘩、そして違大なる大山倍達の不死の魂まで熱く伝える格闘技・喧嘩論集。
目次
序章 すこしずつおかしな日
第1章 石原莞爾と若き大山倍達
第2章 体力論丹田篇
第3章 極真空手的当世健康論批判
第4章 極真空手の野蛮を愛す
第5章 喧嘩原論
第6章 実存と暴力
第7章 大山倍達を信じよ
第8章 『世界ケンカ旅』解説
著者等紹介
平岡正明[ヒラオカマサアキ]
1941年東京生まれ。早稲田大学露文科中退。ジャズ評論家。文芸評論家。故大山倍達館長の愛弟子で極真空手黒帯。1964年に評論家デビュー。1970年ごろから太田竜、竹中労らと世界革命浪人(ゲバリスタ)を名乗り、新左翼系文化人として注目を集める。70年代後半以降は文学や音楽、芸能などに領域を広げる。受賞歴は『大歌謡論』(筑摩書房)で大衆文学研究賞、『浪曲的』(青土社)で斎藤緑雨賞がある。また現代のカルチュラル・スタディーズの先駆者として、近年評価が高まっている。2009年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ツバメマン★こち亀読破中
16
「山口百恵は菩薩である」などの著書がある評論家・平岡正明による大山倍達論の復刻版。ビール瓶切り、10円玉曲げ…マス大山についての逸話は色々あって、どれが真実?どれが脚色された話?なんて論争になりますが、そんなことはどうでも良くて、彼自身は大きな人物で、戦後の日本が産んだエンターテイメントであることは間違いないと思いました。著者の自由で、(今は出版社が発売を躊躇しそうな)攻撃的な文体にはじめはクラクラしますが、やがて癖になります!2022/12/25
酢
0
2024年にもなって大山倍達かいなと思いつつも書影が醸す妖しい引力に惹かれてついつい手に取ってしまった。ああ面白い。エンターテイメントの1トピックを歴史の唸りの中に位置づけて語る試みは昨今珍しくもないし、凡百のそれは「筆者がデカい事言いたかっただけだろ」と一蹴したくなってしまうが、そこはさすが平岡正明。大胆な見立てと胡乱な論理、そして実体験を元に獲得された確固たる魂の迸りにノックアウトされてしまった。批評家崩れの腑抜けた感想文をnoteに投稿して悦に入るサブカル少年少女たちに押しつけたい一冊。押忍だ。2024/07/21