目次
もうすぐ十六歳になるきみへ
北京
報国
少女像を燃やす
2020
誕生
著者等紹介
山田亮太[ヤマダリョウタ]
1982年北海道生。詩集に『ジャイアントフィールド』『オバマ・グーグル』(ともに思潮社)。2017年、『オバマ・グーグル』で第五〇回小熊秀雄賞受賞。2006年よりユニット「TOLTA」で活動する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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4
#me tooや「表現の自由」展、戦争詩など政治的な問題が直接的に扱われた詩文は一見散文的に見えつつも周到に脱臼されていて、どこまでがイロニーなのかわからないゆらぎを持つため、そこでなされている主張を読み取ろうとするときに読者は自らの思い込みやバイアスやイデオロギーが介在してしまうことを意識せざるを得ず、不安さに耐えることを余儀なくされ、肯定も否定も容易にはできない場所に置かれる。2021/06/21
午後
3
「チャイニーズのためのハロウィーン」、「光る手」、「俺たちみんなでおまえを許さないと決めた」の三編が特に良かった。ポピュリズムや戦争詩、表現の不自由展に#Metoo運動、コロナウイルスによって変わった生活、現代的なモチーフに貫かれながらも、そこに顔は見えずに、ただ声だけが響いている。誰のものかもわからない声が。そのぼんやりとした居心地の悪さが良い。行分けのタイミングにこだわりを感じる。2022/09/21