内容説明
世界史上、「アメリカ」という試みは、一つの巨大な間違いではなかったか。ブッシュのアメリカが「逸脱」していたのではなく、建国以来２３０年余、アメリカにデモクラシーなど存在しなかった。インディアン虐殺と黒人奴隷制のトラウマをつぶさに検証する。
目次
第１章 オバマ現象（「オバマ現象」とは；二〇〇四年の民主党全国大会での基調講演 ほか）
第２章 アメリカン・ドリーム（アメリカン・ドリームを取り戻す？；アメリカン・ドリームとは ほか）
第３章 アメリカ史の学び直し（なぜアメリカ史の学び直しなのか；二組の「父祖（ファーザーズ）」 ほか）
第４章 文人たちのアメリカ（文学とアメリカの鏡；トクヴィル、ホイットマン、アレント ほか）
第５章 ブッシュ、オバマ、そしてアメリカ（プラトンの「魂の中の嘘」；フルブライト症候群 ほか）
著者等紹介
藤永茂［フジナガシゲル］
１９２６年満州国長春生まれ。九州大学理学部物理学科卒。１９６８年からカナダのアルバータ大学教授、現在同名誉教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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加藤久和
6
「我々の国は他とは違う、神に祝福された国なのだ。」という壮大な勘違いに基づいてアメリカという国は作られた。アメリカ例外主義と言う。著者藤永茂氏は広範な文献渉猟によりこのアメリカの迷惑極まりない欺瞞を徹底的に暴いていく。藤永氏は今年90才になられるはずだが、今でも学ぶことを止めず、重要な知識をブログを通じて我々に提供してくれている。日本人として第一級の知識人である。藤永氏の著作は現在では入手しづらいが、電子書籍では100円という安価で氏の貴重で膨大な文章を読むことができる。藤永氏に続く知識人の登場を願う。2016/01/10
▲〆
0
誕生から現在に至るまで、アメリカという国家は一度として自由や平等を志向したことは無かった…というのが大まかな論旨。 「アメリカ例外論」を基にしたかの国の歩みに対して、カナダとの比較や文学から見える世相などを交え、かなり厳し目に批判している。 この本の見解を参考にすると、最近の黒人暴動やオバマ政権の評価などへの理解も深まるかも。2015/02/24
