内容説明
「解剖=人の身体を切って調べること」を高らかに謳いあげて『解体新書』は上梓された。蘭医とは即ち「切る医者」であり、江戸の人々は死体を切り、生身の人間を切る「切る医術」へのスプラッタ・ホラーじみた好奇心と怖れを隠さない。「全体として生きて在ること」を捉えようとする日本の知と、「切って中身をさらし、くまなく光をあて」ようとするヨーロッパ近代知の出会い。「解剖」から見た気鋭の江戸文化論。
目次
序 アクセスの図像学
第1章 刃
第2章 身体を切る
第3章 さらされる身体
第4章 つくられていく身体
第5章 身体と国家
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
45
四半世紀前に読んだっけ。図書館本か、買って読んだか忘れた。当時、訳者の高山宏をあまり意識してなかった。訳者を考慮して再読したい。書庫にある? 買う?
Meroe
3
江戸時代、身体を「切り開く」ことによって内部を明らかにするということが、オランダから入ってきた。切り開くための器具(「頭部外科手術図」と名づけられた散髪の絵の模写!)、切り開かれた身体の記録(解剖を時間の経過とともに描いた絵巻)、「切り開く」こととそれらの絵がもたらした新たな考え方。図版もたっぷり。暴走気味といえなくもないが、息もつかせぬ面白さ。2012/01/31
-
- 和書
- 神〓 法人登記入門