内容説明
久しく会っていなかった弟のアレクサンドルから、突然、アナスタシヤのもとへ電話がかかってきた。どういうわけか、ガールフレンドのダーシャと訪れた友人宅が、次々と盗難に遭っている。もしかして、彼女が泥棒を手引きしているのではないか、極秘に調べてほしいという。さっそくダーシャの身辺を洗いはじめるが、その彼女には担ぎ屋グループの尾行がついており、さらにその担ぎ屋を追う男の影があった。九年前、男の息子は、四人の少年たちに嬲り殺されたのだが、犯人はいずれも十四歳以下で刑事責任を問えない。法律が罰しないのなら、みずからの手で罰するほかはないと、長い年月をかけて復讐の機会をねらっていたのだ。…いくつもの殺人が錯綜しながら、事件は混迷の度を深めていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
43
筆者 マリーニナ女子~裏表紙の紹介では「現代ロシア・ミステリー界の第一人者」とある。もっとも、本の刊行が20年以上前だから、眉唾して認識しないと。その後が数冊のみでさっぱり陽が当たっていない。訳者の女性も優秀な方なのだろうが驚くほど硬質日本文・・40年前の翻訳本を読んでいるようでストーリー展開に さっぱり、身を投じられなかった。複数の殺人が次々と起こり、事態が錯綜・・展開は期待できたのに「ロシア独特の長ったらしーい人名地名」と併せ、登場人物のキャラが見えてこなくって最後は消化読みでした★2021/03/25
橋川桂
15
ひょんなきっかけで怪しい男たちに尾行される羽目になった女性と、その男たちの方をつけねらう人物と、それぞれの思惑がからみあう良質のサスペンス。大胆なトリックや意外な真犯人といったところで驚かされたい人にはきっと物足りないと思うけど、社会派ものの群像サスペンスとか好きな人にはかなりお薦め。どこの国でも少なからずある(小説の題材としてはややベタとも)テーマも織り込んであって、私がこれまで読んだシリーズの中で一番良かったかも。2018/12/29
やま。
2
二冊目にして物語に引き込まれた。しかし、名前と人物を同一に覚えるのが大変・・・(笑)2015/04/25
コカブ
1
モスクワ市警殺人課分析官アナスタシヤシリーズ第4作(日本語訳は第2作目)。ほとんど会っていなかった弟のアレクサンドルから、アナスタシヤに連絡があった。ガールフレンドのダーシャと訪れた友人宅が、次々と盗難被害に遭っていて、ダーシャが窃盗団を手引きしているのではないかというのだ…。/相変わらず、ソ連崩壊後のロシア社会にはマフィアがはびこっている。ダーシャをめぐる謎を追いかけると、密輸にからむマフィアの存在が明らかになってきた。アナスタシヤの明晰さは分るが、これだけマフィアがからむと推理小説という感は薄れる。2013/06/15
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