内容説明
大阪城公園の地下には、アジア最大の兵器工場の廃墟がいまも眠っている。45人の記憶の中の歴史―どのような意識で膨大な死者を生み出し、そして忘却したのか。
目次
第1章 この地にまつわる死者を、日本人はどのように見つめたのか
第2章 この地で日本人は、どのように生活を営んだのか
第3章 この地で日本人は、どのように戦争の殺戮にかかわったか
第4章 この地で日本人は、どのように毒ガス弾をつくったのか
第5章 戦後、日本人はこの地をどのように忘れたのか
第6章 この地で日本人は、どのように朝鮮人とかかわったのか
第7章 いま、日本人はこの地でどのように暮らしているのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mazda
25
大阪ビジネスパークのあたりは、昔大砲の弾を作る工場だったそうです。当時ここで働いていた人たちのインタビューを中心に話が進んでいきますが、工員として働いていた女性の談話。「慰安婦いうて朝鮮の女の人ばかりいじめたゆうんやったらそらいかん。でも日本の女の人もですよ、満州行ってそういうふうにな…(略)。でも、日本の人で補償してって言う人ありますか?朝鮮のゆうてる人、わたしと同じ年頃ですよ。75,6のおばあさんばっかし。「なにをゆうてんか」と私は思いますよ」。同じ談話でも河野談話とは違い、全くその通りだと思います。2014/11/08
takao
2
ふむ2021/07/20
tecchan
0
「大阪城公園の地下にはアジア最大の兵器工場の廃墟がいまも眠っている。」。大阪城の東側、今はビジネスパークや団地などが立ち並ぶ広大な土地にかって大阪砲兵工廠があった。工廠に関わった多くの人の証言、そして戦後のアパッチ族、在日朝鮮人の証言などから、この地の歴史、戦争を考えるノンフィクション。20年前刊行の古本。最近公園を訪れ、工廠の石碑を見たばかりで興味を持った。2020/02/23