内容説明
ヴァーモント州の片田舎に住むヘンリイ・エイクリイからの手紙。それは宇宙の深淵からの来訪者の恐怖を告げるものだった―。ラヴクラフトが外宇宙からの恐怖を描く「闇に囁くもの」。二人の若きオカルティストが企てた心霊実験の招いた怖るべき結果は―。ヘンリー・カットナーの「ヒュドラ」。古代エジプトの邪神、異次元からの侵入者、クトゥルー、アザトースなど究極の魔道書〈ネクロノミコン〉に記された恐怖を描いたクトゥルー神話7編を収録。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
きばとり紅
3
青心社の暗黒神話体系シリーズ第九巻、小品ながら凡とは言い難い作品が多いのが神話作品の良い所である。本書ではこのシリーズでは珍しく第二世代作家のラムジー・キャンベル「城の部屋」が収録されているが、氏の独創的な神話存在はまだそれほど前面に出てきてはいない、HPLの「無名都市」のような立ち位置と言えようか。 カットナーの「ヒュドラ」は後続作家に拾われないのが惜しいほどの独自性がある、そもカットナー作品自体がある種不遇ではあるが。 大トリの「闇に囁くもの」は実にHPLの面目を保つ良作である。もはや安心感さえある。2026/05/10
Smith, Ordinary. Person.
3
ロングの代表的なクトゥルフ神話作品といえば『ティンダロスの猟犬』が挙がることが多いですが、『喰らうものども』も忘れてはならないでしょう。なぜなら、「初めてラヴクラフト以外の作家が創作したクトゥルフ神話小説」「オリジナルのクリーチャーを登場させた」「ブロックに先んじてラヴクラフトをモチーフとした人物を作中で登場させ、更にクリーチャーに殺させた」、とクトゥルフ神話の拡張の始まりという点で象徴的な作品だからです。9集はその『喰らうものども』を始め、ユゴスより来るものが登場する『闇に囁くもの』など7編を収録。2021/07/03
mmvg
3
ラヴクラフト作「闇に囁くもの」がやはり1番だろうか。 恐怖への主人公の気持ちが、懐疑的だったり、恐怖に怯えきったり、恐怖の秘密に興奮したり、その時時に様変わりし、重なりあい、恐怖に対する複雑な心情を映し出している。 フランク・べルナップ・ロングの「食らうものども」も良かった。 まだ1回しか読んでないのでうまくはかけないが、描き出す恐怖に引きこまれた。 2015/12/13
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2
クトゥルー神話の怪物だとヒュドラが一番怖い。一息に殺されるとか発狂するとかならまだ気が楽だが、ヒュドラに接続されて異次元世界で永遠に生かされ続け、しかもどうもガタノトーアの話のように慈悲深い狂気に囚われるという訳でもないようだ。『闇に囁くもの』は今読み返すと『インスマスを覆う影』と構造がやや似ている。ユゴスからのものはエイクリイに化けて主人公を騙そうとしたが、しかしエイクリイの方は、本当に必死に抵抗した挙句に斃れたのだろうか? ひょっとすると『インスマス』の主人公と同じく、「驚異と栄光」を選んだのでは?2020/05/05
海星梨
2
いちばんの読みどころは「闇に囁くもの」かな。全集で読んでるので二回目。「食らうものども」は内容はともかく文章が稚拙な感じがした。故に、あまりいいものを収録してないじゃないかと、そんなふうに思いつつ、最後の「闇に囁くもの」で、まぁ、言っちゃ悪いけど釣り合いがとれてるのかなと。2016/03/15




