目次
問題の所在と本研究の課題
第1部 非行の発生態様(非行発生の時系列的変化―公式統計に基づく検討;非行の広がりと繰り返しの態様―A県の縦断的非行記録データに基づく検討;非行の繰り返しに伴う罪種変化の態様―A県の縦断的非行記録データに基づく検討;非行発生の縦断的パターン―A県の縦断的非行記録データに基づく検討)
第2部 非行の関連要因(養育環境と非行―公式統計、非行少年対象の質問紙調査、縦断的非行記録データに基づく検討;学歴階層と非行―公式統計に基づく検討;再非行の関連要因―B県の縦断的非行記録データに基づく検討;本研究のまとめと総合考察;補論 日本版自己申告非行尺度開発の試み)
著者等紹介
岡邊健[オカベタケシ]
現在、山口大学人文学部准教授(犯罪社会学、教育社会学)。博士(社会学)、専門社会調査士、山口県青少年問題協議会委員。1975年生まれ。岡山県出身で、幼少期を長崎県、山口県などですごす。東京大学教育学部卒、東京大学大学院教育学研究科博士後期課程中退。科学警察研究所研究員を経て、2011年、山口大学人文学部に着任し、2013年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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新橋九段
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巷に溢れかえる少年犯罪の「凶悪化」「低年齢化」「一般化」言説に統計を用いて実証的に疑問を投げかける良著。難解な分析が多々出てくるので読むのが大変だというのが玉に傷か。2014/05/20
てくてく
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犯罪社会学会で何度か報告を拝聴したことのある研究をまとめた一冊。データ解析が中心なので、一般の少年非行や少年犯罪に関する本と比べると非常に読みづらい、が、理念に関する研究だけではなく、実証研究が必要であるにもかかわらず、後者の研究が少ない状況を考えると、意義ある一冊だと言えよう。非行少年の属性、少年犯罪の低年齢化の実際、親と少年の関係(家庭環境)などについて、データに基づいて分析がおこなれている。2014/04/20
S.Fukazawa
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現代における少年非行について、その特徴や、非行に走る少年の属性、置かれている家庭環境等について研究した本。国内においてはこうした実証的研究が少ないことから、貴重な1冊と言えそうです。本書の結論は、少年非行に凶悪化は認められず、更生(特別予防)を重視する少年法の理念はなお有効である、というものです。本格的な研究書であるため、読むのに骨が折れますが、少年非行に関わる機会がある方はぜひ通読を。2014/03/23