感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なま
4
戦後三年目にして書き上げた「原爆の図」。当時日本はアメリカ等の占領下にありGHQの検閲で報道、出版物等は発売禁止になる中で第一作・原爆の図幽霊は「8月6日」というタイトルで発表された。絵画を書いた丸木位里・俊夫妻の幼少期から原爆の図連作や、水俣病や南京大虐殺の絵画を書くことになった経緯がわかる伝記。ルビ入りなので小学生からも読めます。 丸木位理と同じく画家である母スマ、妹の大道あやの事も紹介あり。たとえ平和利用でも原子力に反対。使わなければ3・11の地震や大津波に見舞われても放射能被害は無かったとつなぐ。2017/05/28
ゆうぴょん
1
中1娘。親ですら丸木夫妻のことは知らなかった。「原爆の図」は知っていても、作者の背景や状況までは知らないですまされない壮絶な二人の物語。原爆の悲惨さを芸術で表現しようとするが、当時はGHQの検閲で発表できなかったこと。アメリカで展示しパールハーバーでの出来事をなじられたことなど、どれも読んでてしんどいことばかり。 原爆のことだけではなく、社会問題に取り組んで最後まで戦い続ける夫妻が凄かった。2024/10/06
pasta
1
タイトルでは??だったけど、作品を見たら「あ!知ってる!」な原爆の図。恐ろしすぎるから最近の教科書には載ってないらしい。いいのかね、教育ってそんなことで。なるほどな~と思ったのが、最後の解説文で、悲惨な題材なんだけど、それだけじゃなくて芸術性だって高いみたいなことを書いていて、確かにそうだなと。題材に負けてないな、すごいなと今見ると思います。他にも海外で展覧会をする苦労とか、他の様々な問題についても絵を描いたりされてることが、すごく読みやすく書かれてます。2012/05/31