内容説明
現代の中国語には四声があることはたいていの人が知っているが、古代中国語には四声がなかったことはほとんど知られていない。また、現代の日本語に古代中国の発音が残されていることも、あまり知られてはいない。この本は中国最古の詩集である『詩経』の押韻を基礎にして、古代中国語音韻システムの再構築を試みた総合的な、かつ詳細なデータを提供している専門書である。同時に、言語学の研究を志している人々はもとより、中国語を学ぼうとしている人達から漢詩を作っている人々、日本と中国を結びつけている漢字文化に興味をもっている人々など、あらゆる段階の幅広い人たちにとって興味深い話題を提供している本でもある。
目次
第1章 イントロダクション
第2章 中古中国語音韻体系
第3章 歴史音韻学の証拠としての押韻詩
第4章 古代中国語の押韻に関する伝統的研究
第5章 古代中国語の音節:あらまし
第6章 古代中国語の音節:音節頭子音
第7章 古代中国語の音節:介音及び主母音
第8章 古代中国語の音節:韻尾及び後韻尾
第9章 『詩経』の字体及び版本
第10章 古代中国語の新しい韻カテゴリー
著者等紹介
バクスター,ウィリアム・H.[バクスター,ウィリアムH.] [Baxter,William H.]
1949年生まれ。ミシガン大学アナーバー校アジア言語・文化学部及び言語学部教授。歴史言語学分野における研究には、中国語とその諸方言の歴史に関する研究及び言語の歴史を復元するための数学的処理方式の活用が含まれている。1977年コーネル大学で言語学博士号を取得
田中孝顕[タナカタカアキ]
1967年國學院大學卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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