内容説明
田園調布にある洋風惣菜の店パテ屋店主による「世界の味のしくみ」を探る、肩のこらないエッセイ集。日々の台所仕事を好奇心いっぱいに観察するみずみずしい視線は、日常こそスリリングでやりがいのある現場だということを教えてくれる。あらたに清水ミチコ(タレント)、ぱくきょんみ(詩人)らパテ屋OGや仕事仲間との座談会、「ホットケーキをもとめて」「かつてはカラフルだった雑穀たち」「ブナ帯食ごよみ」など、新原稿4本を収録。『かつおは皮がおいしい』(晶文社、1987)の新装増補版。
目次
パテ屋の店先から
名解答とんかつ定食―世界の日常さまざま
小さな決戦―身近な菌たち
拒まず捨てず
土間よもう一度―都会の場合
「日常」は、自然に坦々と
法隆寺の柿の葉ずし―古代の手ざわり
漬物丸かじり―能登の海はマルセーユへ?
食としぐさ
道具としぐさ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪狼
2
図書館本。知らなかったのですが、田園調布にあるパテ屋のオーナーさんが書いたエッセイ本です。食に関する事全般が書かれていて、なるほどと思うことが多かったです。もともとはかなり前に出版された本なのですが、内容は古くはないです。一度お店に行ってみたいですね。2014/03/19
Humbaba
2
美味しいものと高価なものというのは、必ず一対一で対応しているわけではない。美味しいものであっても多くの人がそれを食べていなかったり、形が悪かったりして安値が付けられているものは少なくない。それを見つけて楽しむことは、ただ美味しいものを食べることよりも更に面白いことである。2013/06/16
mach55
2
以前お友達に連れて行ってもらって食べたレバーパテの美味しいことと言ったら!!そのお店のオーナーの書かれたこちら。食材や調理法、食にまつわる道具に対する考察が面白かった。それぞれの歴史や気候により、その特性を生かす工夫を分析し、日本だけではなく世界のあちこちに目を向ける。ブナ帯文化という言葉も初めて知った。店頭での印象とたがわず、想像力と好奇心がいっぱいの作者にとても魅力を感じた。2012/09/14
ひるお
1
田園調布のパテ・テリーヌ店「PÂTÉ屋」の店主、林のり子氏による食をめぐるエッセイ集。単なる“美食”の追求ではなく、仕入れた大量の食材から出るアラや皮などを捨てずにどう調理するか考え、この食材の原産地はどこで、どのように今ここに至ったのかを調べ上げ、国や時代、地域を超えて、季節と人々と食との関わりに思いを馳せる。アボカドと独活の組み合わせ、奈良漬の白和えなど、試したくなる新鮮なアイディアも豊富。もちろん「PÂTÉ屋」を訪れて、パテやテリーヌ、ペーストの数々を味わってみたい。2023/10/22
美ホン
1
一度訪れたいパテの専門店のオーナーさんの一冊。 食への探究心、お店を構えチームをまとめ上げるたくましさが伺える。文体からしてサッパリした前向きな人。 後半には、かつての従業員達の座談会も掲載。まさに「類は友を呼ぶ」で、集っている人みな好奇心旺盛。かつて清水ミチコさんもここでバイトしていた。 19 年秋、有吉さん「正直散歩(フジ)」で初めて「動く林さん」を拝見。やっぱりシャキシャキしておられた、それにキレイ!紹介していたパテも実に美味しそうで、ますます食べたく、、、あっ、テレビの感想になってました(笑)。 2020/10/01