内容説明
木工デザイナー三谷龍二が、作り手と生活者のふたつの目で、みずから過ごした街を訪ね見つめる、手仕事の「これまで」と「これから」。
目次
福井(福井へ 旅のはじまり;我谷盆;ものづくり八軒町;雨の町;眼鏡;見る力、作る力)
京都(黒田辰秋の仕事場;円柱形の茶筒;中量生産の工房;スイーツと活版技術;新しい川の流れを;手とこころの関係;磁土の仕事)
松本(京都から松本へ;小高い丘にのぼって;市中の井戸;ひとりの時間;冬の夜の愉しみ;露天風呂と本と;時を重ねる街;クラフトフェアのこと;暮らすこと 作ること;手のなかの小さな渦;捕まらないために)
著者等紹介
三谷龍二[ミタニリュウジ]
木工デザイナー。1952年福井市に生まれ、その後大阪、京都を経て、松本へ。1981年長野県松本市に個人工房ペルソナスタジオを開設、複数の職人たちとの共同作業により木の器をつくる。毎日の食卓で使われる木の器を提案し、全国のギャラリーで個展を開いているほか、立体作品、平面作品も手がける。「クラフトフェアまつもと」の運営に当初より携わり、現代の暮らしと工芸のあり方を模索し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ふう
24
黒田辰秋の工房が山科にあったことを知らなかった。進々堂の大きなテーブルも鍵屋良房の飾り棚も、目に馴染む素晴らしい造作だが、京都出身だとも知らず、木の国(信州とか和歌山とか)と思い込んでいた。年明けには大山崎で作品展もあり、じっくり勉強したい。2022/09/18
あきこ
2
三谷さんと言えばずいぶん前になるけれど、バターケースが有名で憧れたものである。木のトレーももちろん有名だが、あまりの人気で実物を見たことはない。そんな三谷さんのトレーが松本旅行先の旅館で料理が盛られて目の前に現れた。白い漆と黒い漆と2枚である。感動のあまりその旅館にあった本書を借りて部屋で読むことにしたのだ。トレーの重みに比べて本書は少し残念だったかな。三谷さんの本職でないのだから当たり前か。2022/02/14
yojohon
1
手づくりっていいよねっていうほっこりさはなく、生きるための仕事と産物という人間の営みの基盤が語られている気がする。マネーロンダリングも月日をかけるものづくりも、対価として与えられるのは同じ紙切れ。憂き日本経済を考えると、たくさん儲けてたくさん消費することも大切なんだけど、そしてそこに失うものがあることに気付いてはいるけれど、すでに取り戻せないものが多すぎて、世界の進化の早く走るためにはき違えてしまった靴が今となっては重い。そんで脱ぎ捨てられない自分も甘いよねえ。安物ばか買い症をまずは直しなさい!は〜い。2013/01/29
ヨウ コ
1
泣きたくなった
サバ缶
0
工芸家?三谷龍二氏のエッセイ集。こんなスローライフに憧れます。お店は長野だそうで、その方面へいったときは是非立ち寄りたいです。 http://www.mitaniryuji.com/2016/07/30