内容説明
アイドルはいるが作家は生まれない、“二流”の文芸投稿雑誌『若草』。だが彼ら読者・投稿者がいなければ、作家の活躍や文学動向は成り立たない。最良の“二流”を、文学の“場”として多様な観点から解き明かす。
目次
文芸雑誌『若草』について
第1部 作家とメディア(『若草』から林芙美子『放浪記』へ―初期作品雑誌初出形からの変容;『若草』におけるモダン・ガール―片岡鉄兵の女性観・恋愛観をめぐって ほか)
第2部 教育装置をめぐる誘惑と抵抗(啓蒙される少女たち―『若草』の発展と女性投稿者;『若草』に発表された小説における女性の職業の表象 ほか)
第3部 書き手としての読者たち(『若草』の波紋―読者投稿欄の論争を読む;『若草』の読者と前田夕暮の新興短歌 ほか)
第4部 青年と“新体制”(昭和一〇年代における『若草』「文壇時評」―“詩”と“ヒューマニズム”;待たれる「乞食学生」―『若草』読者共同体と太宰治 ほか)
著者等紹介
小平麻衣子[オダイラマイコ]
慶應義塾大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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