内容説明
関東大震災からアジア・太平洋戦争へ。激動の時代に、女性作家はどのように生き、何を表現したのか。3・11以降の、戦後七〇余年を経た危機的な「今」、あらたな視点で問い直す。
目次
1 関東大震災以後のモダニズム(方法としての“放浪記”―林芙美子『放浪記』の時代;岡本かの子『帰去来』―関東大震災へのまなざし ほか)
2 プロレタリア文学―労働・闘争・抵抗(中本たか子“前衛”たらんとして―その密かなる抵抗「赤」・「鈴虫の雌」から『新しき情熱』へ;平林たい子にみる“愛情の問題”―コロンタイの恋愛論とハウスキーパー問題を通して ほか)
3 帝国の“外地”と“内地”(一九四〇年前後の女性文学―宮本百合子・牛島春子・小山いと子における“抵抗の諸相”;牛島春子『祝といふ男』と氷壺中国語訳『祝廉天』―「満洲文学」の力学と実相 ほか)
4 戦争とジェンダー(戦争と女性文学;阿部静枝の短歌はどう変わったか―無産女性運動から翼賛へ ほか)
5 女性文学の成熟と展開(“母性”の歌領域を拓く―初期中河幹子の歌の再発見;辻村もと子の農民文学―自分を生きる女たち ほか)
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