内容説明
お互いの結婚相手を紹介し合う二人だが、何も進展しない。そんな時、理一郎は高校の同級生と再会。再婚話がとんとん拍子で進んでしまう。めでたくウエディングベルが鳴ろうとする時、はるは偶然にも彼が隠す“優しい秘密”を知ることに。「そんな…」忘れていた気持ちを思い出した彼女がとった行動とは?第四回島清恋愛文学賞受賞作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mariya926
90
先が気になって一気読みでしたが、なんかドラマみたいな話しと思ったら脚本家さんが書かれた話だったんですね。どうりですぐにでもドラマになりそうな展開でした。しかも主人公モテ過ぎだし。ちなみにラストはないわーって思いました。それと牧師って勝手にしてもいいの?って思いましたが、日本には外国のアルバイトさんが沢山いましたね。ちなみにプロテスタント教会には懺悔室なんてないし···。私の中では上巻までは楽しめたけど、下巻ではやりすぎ??というか親を巻き込んで何をしているの??って感じでした。2024/02/16
kaoriction@本読み&感想リハビリ中
32
「幸せっていうのは、ひたすら眠いということではないかって最近になって思う」。その言葉のための物語だったように思う。「こんな程度の幸せ」のための遠回り。だけど「とても大切なこと」。壊したり、もがいたり、上野発の夜行列車で旅してみたり。それが、理一郎の言葉にあるように生きてゆくことなのかも。「生きて、生きて、どちらかが先立つ時まで」。遠回りしすぎ!と半ばウンザリ、もどかしさも感じつつ、でもほんわかと好きな作品。登場人物が皆、魅力的。ダメなりにきちんと生きているからかな。本もたくさん出てきて いいスパイスだ。2015/04/18
練りようかん
19
島清賞きっかけで久々に野沢作品を読もうと思った。ページを開けば軽妙な文体で俄然面白い。離婚した夫婦のその後の付き合い。気持ちは残ってるが戻れない二人の子供じみた性格が取り返しのつかない判断を招く様相を描くのだがら、読者としては二言も三言もぶつけたくなる。巻き込み型の書き手だったんだなと今更ながらに思う。新恋人候補を互いに紹介するが、そっから持ってくる?という人選が楽しい。バーで酒をぶっかけられた新婦をはじめ虚をつかれるシーン作りも巧みで涙涙。皆身勝手、でも皆幸せになってほしいと思わせる傑作恋愛小説だった。2024/09/15
アワキチ
12
改めて好きになるには、知らない部分の発見が必要になってくるってのは共感できました。2016/12/15
よう
12
再読。わかっちゃいたけど、結婚式の場面は涙腺が。。今となってはエピソードの真新しさがあるわけではなく、アイツがモテすぎだし、やや強引な気もするが、そんなのどうでもいいほど感動。ジャンル問わず、回想フラッシュバックの巧みな使い方は野沢さんの特長。あと、ちゃんとエゴな苦味がある所が気に入ってる。神様にも逆らうしね2015/03/03