内容説明
1920年代(大正末期から昭和初期)に形成された浮浪化した都市文化の生態とその精神風景を、正宗白鳥、尾崎翠、中野重治、葉山嘉樹らの作品を通して追究し、克服の道をさぐる。
目次
第1部 浮浪する精神の諸相(或る批評精神の形姿―正宗白鳥小論;浮浪文化と「第七官界」―尾崎翠の一冊の全集 ほか)
第2部 浮浪文化と克服の諸相(「操觚者」中野重治―そのグニャグニャの雑文精神;アナーキズムと芸能―プロレタリア文学の「失敗」と「可能性」 ほか)
第3部 新たなる浮浪と離散の時代(チャップリンと浮浪者―映画に見る二十世紀の世界;「戦後責任」とは何か―大衆芸能を手掛かりとして)
補論 読書の小窓から―旧刊紹介
第4部 浮浪ニヒリズムの克服―藤田省三を読む(日本社会の底にあるもの―『藤田省三対話集成2』;過ぎ去りしものからのユートピア―『精神史的考察』 ほか)
著者等紹介
武藤武美[ムトウタケヨシ]
1947年生まれ。1975年法政大学大学院日本文学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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