内容説明
時代を貫き鮮烈な光芒を放つ批評精神。1970年初頭までの戦後新劇運動における可能性と、その困難・衰退を舞台をとおして見据えつつ、新たな再生・発展を希求した画期的な演劇批評集成。付=戦中・戦後新劇運動略年譜。
目次
パリ‐コンミューンの教訓―ブレヒト『コンミューンの日々』(三期会)の問題点
大衆ナショナリズム批判―宮本研『ザ・パイロット』(変身)と木下順二『オットーと呼ばれる日本人』(民芸)について
批評の創造力―ドルーテン『私はカメラだ』(民芸)と長谷川四郎『アンナ・カレーニナ』(俳優座)の脚色
芸術の民主主義とはなにか―観劇術の意味をめぐって
革命とレトリック―ロマン・ロラン『狼』(民芸)について
新劇運動と鑑賞団体の方向
主題のアクチュアリティ―『地の群れ』(青俳)上演が示すもの
新劇の変質―浅利慶太『新劇団再編成への提言』と、田中千禾夫『千鳥』(俳優座・国立劇場公演)をめぐって
風化した芸術前衛―安部公房『友達』(青年座)について
リアリズムかメロ‐リアリズムか―劇団民芸『フォー・シーズン』・『瀬戸内海の子供ら』などをめぐって〔ほか〕
著者等紹介
武井昭夫[タケイテルオ]
1927年横浜市に生まれる。『文学者の戦争責任』(淡路書房新社、吉本隆明との共著)、『芸術運動の未来像』(現代思潮社)、『創造運動の論理』(晶文社)など
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