内容説明
植民地支配、世界戦争、全体主義がさまざまな“断絶”を露呈させた20世紀―その時代に抗い自らの「正体性」を主張した詩人、文学者、芸術家、思想家、革命家、そして民衆たち49人の“生”と“死”のかたちをあざやかに描き出す。
目次
フェデリコ・ガルシア・ロルカ―「詩人が殺される時代」の到来
パブロ・ネルーダ―反独裁を貫いた生の肯定者
ジャック白井―スペインで戦死した「非国民」
パブロ・カザルス―チェロと指揮棒を武器として
サッコとヴァンゼッティ―二十世紀を象徴する冤罪事件
エルンスト・トラー―バイエルン革命の光芒
シャイム・スーティン―正真正銘の根なし草
ヴァシリー・カンディンスキー―“対象”が僕を邪魔する
エーリヒ・ケストナー―焚書を見つめた「飛ぶ教室」の作者
ショル兄妹―白バラは散らず〔ほか〕
著者等紹介
徐京植[ソキョンシク][SuhKyungSik]
1951年京都市に生まれる。1974年早稲田大学文学部(フランス文学)卒業。現在、東京経済大学教員。著書に『長くきびしい道のり』『分断を生きる―「在日」を超えて』『新しい普遍性へ―徐京植対話集』(以上いずれも影書房)、『私の西洋美術巡礼』(みすず書房)、『「民族」を読む―20世紀のアポリア』(日本エディタースクール出版部)、『子どもの涙―ある在日朝鮮人の読書遍歴』(柏書房、小学館文庫)、『プリーモ・レーヴィへの旅』(朝日新聞社)、『断絶の世紀 証言の時代―戦争の記憶をめぐる対話』(共著・岩波書店)他。編訳書に『徐兄弟 獄中からの手紙』(岩波新書)
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