内容説明
「現代」日本国家のバブル的ともいうべき急造性と膨張性を代表的に実現してきた天皇制国家の構造を、典型的な戦後精神の認識力で始点にまで遡って、理論的・歴史的に明確に把えきった古典的名著。全体の構成に多少の変更を加え、新たに長文の「「諒闇」の社会的構造」と短文の「当事者優位の原理」の、60年代以降に書かれた関係論文二篇を加えた「新編・決定版」。
目次
天皇制とは何か
天皇制国家の支配原理
天皇制とファシズム
天皇制のファシズム化とその論理構造
感想・レビュー
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takashi1982
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日本政治思想史研究者であった藤田省三の代表作である。表題の「支配原理」の他に「諒闇」の社会的構造」と短文の「当事者優位の原理」などが収められる。藤田による思想史のアプローチは、社会的背景から思想史を論じると言うことではない。むしろそれとは反対に、対象とする事象そのものの論理、彼らの論理を顕現させることにより導き出される思想史であるといえる。従って、対象とすべき当事者どうしの書簡や政府や地方官の出した通達など、厖大な史料を収集し、徹底的に再構成を加えていくという途方もない作業をやってのけている。(続く)2011/12/01
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