出版社内容情報
好事家垂涎の奇書がついに登場する。ゲッリウスは帝政期ローマの著述家で、ギリシアのアテナイに遊学して哲学を修めた。本書は彼が同地に滞在中、冬の長夜の無聊を慰めるため、広範な文献を渉猟して蒐集した逸話や随筆から成っており、後に散逸した作品からの引用も豊富である。第1分冊には第9巻までを収録する。本邦初訳。(全2冊)
内容説明
冬、宵の帳が下りる頃、夜語りが始まる―。尽きせぬ蘊蓄と貴重な引用の数々。本邦初訳。
著者等紹介
大西英文[オオニシヒデフミ]
神戸市外国語大学名誉教授。1948年愛媛県生まれ。1979年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。神戸市外国語大学講師、助教授、教授を経て、2014年退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
8
冬のアッティカの夜の退屈に始まり、20巻にわたる筋のないmemorandumが続く本書だが、その内容に退屈しないのは筋の逸脱が著者の奔放な蘊蓄の吐露よるものだからだろう。2世紀にギリシアに渡って哲学を学んだローマ人の教養が放たれる紙面には、散逸した古典古代の書物やラテン語の文法面での歴史的変容等歴史資料として貴重な記録が記されている。がそれ以上に、その蘊蓄の縦横無尽さが書物を物語の時空として慣れ親しむ読者を圧倒する。本書タイトルに関する「手遊(すさ)び」に始まる序言から。既に20作以上の作品の羅列がある。2022/07/25