内容説明
南部陽一郎・小林誠・益川敏英―3氏の業績を理解するには、素粒子物理学の世界を創造した湯川秀樹・朝永振一郎の業績と彼らが育んだ伝統を知る必要がある。いずれもノーベル賞に輝いた5人の業績を“湯川の中間子論から標準理論へ”という歩みの中に位置づけ、素粒子論の解説はもとより、人の営みとしての科学、すなわち人文学を含めた豊かな学びの風土こそ独創性を育み時代を拓くことを教える、珠玉の評伝と科学解説。
目次
量子力学と原子核の登場まで
第1部 湯川・朝永の拓いたみち(生い立ち―物理学に志すまで;湯川の中間子論―未知の荒野へ;朝永のくりこみ理論―場の量子論の完成 ほか)
第2部 湯川・朝永の伝説を育んだもの(京大教授の息子たち;一中・三高・京大―独創性を育てたユニークな学校;量子物理黎明期の日本 ほか)
巨人たちが問いかけるもの
付録 さらに知りたい人のための案内
著者等紹介
佐藤文隆[サトウフミタカ]
1938年生まれ、1960年京都大学理学部卒業、京都大学助手、助教授、教授、京都大学基礎物理学研究所長、京都大学理学部長、日本物理学会会長、日本学術会議委員、甲南大学教授を歴任。一般相対論、宇宙物理を専攻。湯川の全集、ビデオなどを編纂、湯川記念財団理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ドッグマスター
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偉大な発見をした人はやはり自分の考え方を持っているんやなぁ。それが幸か不幸かは別にしても。完成された理論は綺麗だ。2011/02/08
nagata
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改めて湯川、朝永両先生の天才ぶりと、残された足跡の大きさに圧倒されつつ、理系の仕組みも楽しめる伝記もの。2022/05/01
ひよこ皇太子
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量子物理が始まった頃の日本の物理学界の様子を湯川と朝長を軸として描いている。 彼らの業績と当時の物理学の進展についても触れられているが、解説というよりは紹介にとどまっており、素粒子論について理解が深くなるような本ではなかった。 伝記として読めばそれなりに面白いかもしれない。2018/03/07