内容説明
ごく最近まで、マヤはつねに好奇の眼で見られ、ミステリアスな「謎の文明」とされてきた。20世紀後半から事態は一変、考古学と関連諸科学による学際的な研究が組織され、「謎」に科学のメスが入った。旧大陸とは異なった神殿ピラミッド、王権、そしてマヤ文字、農業体系…。さらに、マヤは大きな地域差を有した「石器の都市文明」であったということが解明された。この古代マヤの全容を通史として、わが国を代表する若きマヤ研究者が、100枚を越える豊富な図版を駆使して「新しいマヤ文明観」をいきいきと描く。
目次
第1章 「都市なき文明」から「石器の都市文明」へ
第2章 マヤ文明の起源―先古典期マヤ文明
第3章 古典期マヤ文明の王権と初期国家群の発達
第4章 「石器の都市文明」を支えた「技術」
第5章 古典期マヤ都市の盛衰
第6章 コパン、アグアテカの事例にみる「石器の都市文明」
第7章 マヤ低地南部の「古典期マヤ文明の衰退」とマヤ低地北部の全盛
第8章 後古典期マヤ文明とスペイン人の侵略
第9章 マヤ文明と現代世界
著者等紹介
青山和夫[アオヤマカズオ]
茨城大学人文学部助教授(マヤ文明学、人類学専攻)1962年京都市生まれ、1986年東北大学文学部史学科考古学専攻卒業。1996年米国ピッツバーグ大学人類学部大学院博士課程修了。人類学博士(Ph.D.)。1986年以来、ホンジュラス共和国ラ・エントラーダ地域、コパン谷、グアテマラ共和国アグアテカ遺跡で、マヤ文明の調査に従事している。日本を代表するマヤ学の推進者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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