内容説明
忍枝、心を引枝、恋枝―。これらは室町時代の花輪書の作品図の一枝一枝に添えられた言葉。当時の人たちが花を単に物として捉えるのではなく、その姿に自分たちの「こころ」を託していたことが感じられる。だれもが持っており、森羅万象に宿るとされる“こころ”。でも、その「こころ」っていったい何?知っているようで実は不可解な「こころ」の謎に、学者・アーティスト・精神科医…いろんなジャンルの第一人者が迫る。
目次
1 響きあうkokoro(笑いは「こころ」を元気にする;ユーラシアの中の「こころ」―その意味の折り重なりから;萎縮しながら膨張する「こころ」 ほか)
2 kokoroのユビキタス(ゴリラ・「こころ」・人;ロボットと「こころ」;文化遺産―そのオーセンティシティ ほか)
3 kokoroはちがいを超えて(文明のかたちと「こころ」―中国と日本;ギリシア・(似非)コスモポリタン列伝―「世界市民」の可能性を考えるために
イスラームのこころ―宗教復興とイスラーム経済 ほか)
著者等紹介
川添信介[カワゾエシンスケ]
1955年生まれ。京都大学大学院文学研究科教授。西洋中世哲学史を専攻するとともに、心の哲学一般にも関心を持つ
高橋康夫[タカハシヤスオ]
1946年生まれ。京都大学大学院工学研究科教授。日本中世都市・建築史を専攻するとともに、自然・風景にも関心を持つ
吉澤健吉[ヨシザワケンキチ]
1950年、東京都生まれ。横浜市立大学文理学部卒業(近代フランス哲学専攻)。現在、京都新聞総合研究所長、同編集局次長兼報道企画室長。京都の学術、宗教、伝統文化、伝統産業、芸術を統合した京都学の構築を目指している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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