内容説明
流域ガバナンスを理念とした流域管理のための新しい方法論を、理工学と社会科学の連携による分野横断的なアプローチによって、アジアの代表的な流域管理の事例から学びつつ、琵琶湖‐淀川水系での実践的な調査活動をもとに、時代の要請に応えうる理論と実践を兼ね備えた流域環境学をめざして執筆。こうした流域環境学の成果が、地球環境問題の解決にどのように寄与しうるかということについても触れている。
目次
第1部 流域管理の現状と課題(環境政策と流域管理;流域管理の新しい潮流;空間スケールと流域管理;琵琶湖―淀川水系の課題)
第2部 流域管理とガバナンス(「階層化された流域管理」とは何か;農業濁水問題の複雑性:琵琶湖を事例として;流域ガバナンス研究の枠組みと方法)
第3部 流域診断の技法と実践(流域診断の考え方;水環境への影響;地域社会の変容)
第4部 現場でのコミュニケーション支援(地域社会と水辺環境の関わり;住民が愛着を持つ水辺環境の可視化;農家の環境配慮行動の促進;ツールとしてのモデル・GIS・シナリオ;階層間コミュニケーションを促進する社会的条件)
第5部 流域環境学の発展に向けて(琵琶湖流域から見えてきた課題;淀川下流域と琵琶湖‐淀川水系での展開;琵琶湖から地球環境へ)
著者等紹介
和田英太郎[ワダエイタロウ]
独立行政法人海洋研究開発機構地球環境フロンティア研究センター・生態系変動予測プログラムディレクター。1962年東京教育大学理学部卒業。1967年東京教育大学大学院理学研究科博士課程修了。同年11月東京大学海洋研究所助手。1976年三菱化成生命科学研究所室長、1989年、同部長。1991年京都大学生態学研究センター教授、1996年、同センター長。2001年総合地球環境学研究所教授を経て、2004年より現職。これまで困難であった生物界の窒素同位体比の測定を世界で初めて本格的におこない、その海洋・陸域の生物などにおける自然存在比の分布則を提示した。2008年、日本学士院エジンバラ公賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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