目次
第1部 「満洲」1945年(「満洲」の終焉―抑留・引揚げ・残留;戦後中国東北における政治的正統性の源泉―「東北抗日聯軍」の記憶から「北満根拠地」へ)
第2部 「満洲」の記憶(想起される「満洲」―岐阜県郡上村開拓団を事例として;「南満」日本人移民とその記憶―錦州省盤山県鯉城開拓団の「満洲」体験 ほか)
第3部 中国残留日本人(中国「残留」日本人の記憶の語り―語りの変化と「語りの磁場」をめぐって;「中国残留日本人」の語られ方―記憶・表象するテレビドキュメンタリー)
第4部 知に刻まれた「満洲」(学に刻まれた「満洲」の記憶―杉野忠夫の「農業拓殖学」;日本人建築家の見聞と設計―建築家の「記憶」とその「歴史」化)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
J_L_B_459
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「満州」に関わる人々の記憶を多角的に分析した論文集。記憶はそれ自体であるのではなく様々な対話・社会的状況の中で形成され相互に干渉するという指摘が印象に残る。当時の「満州」在住日本人にとってはノスタルジーやソ連軍の侵攻による蹂躙、抑留や引き揚げの被害が記憶として前面に出ていたり、日本社会においては数十年経っての残留日本人「救出」の「感動」が一連のストーリーとして出来上がっている。しかしそこには関東軍の暴力を背景とした土地の収奪への認識は淡く、中国側ではその奪回過程が建国のマスターナラティブとして記憶される。2015/08/29
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