内容説明
元来、大都市交通は数多のセクターから構成されている。市内軌道、バス、都市鉄道のみならず、非先進国ではトラックやバンを用いた「非公式交通」が交錯する。その上、大衆の利便に関わる都市交通は、容易に政治の道具となり政策は混乱する。都市交通の持つ諸問題を技術セクターの多様性と政治的利害という観点から炙り出す意欲作。
目次
序章 都市交通研究の意義
第1章 軌道系輸送手段の導入―1880~1900年代
第2章 競合の発生―1910~1930年代
第3章 主役の交代―1940~1950年代
第4章 バス事業の統合―1960~1970年代
第5章 軌道系輸送手段の復活―1970~1990年代
第6章 混迷する都市交通政策―2000年代
第7章 都市交通史が語るもの―統制の強化と政治化
終章 総括と課題
著者等紹介
柿崎一郎[カキザキイチロウ]
横浜市立大学国際総合科学部准教授。1971年生まれ。1999年、東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了。横浜市立大学国際文化学部専任講師、同助教授を経て、2005年より現職。博士(学術)。『タイ経済と鉄道―1885~1935年』で第17回大正平芳記念賞、『鉄道と道路の政治経済学―タイの交通政策と商品流通1935~1975年』で第2回鉄道史学会住田奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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