内容説明
夢と病気との関連、邪気、憑きもの、瘧などの迷信、そしてこれらを治療する「ヨリマシ加持」を題材に、平安貴族が病気とどのように戦ったのかを明らかにする。
目次
序章 精神史の分析方法
第1章 平安貴族社会の夢観念
第2章 ヨリマシ加持の登場―その成立と起源
第3章 平安貴族社会の邪気概念
第4章 摂関期の王権と邪気観念―藤原道長の邪気観念
第5章 日本古代・中世における瘧病認識の変容
補論 貴族社会の多面性―『東山往来』に見る院政期の習俗と合理的思考
終章 精神史のその後
著者等紹介
上野勝之[ウエノカツユキ]
国際日本文化研究センター共同研究員。日本古代・中世文化史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Toska
14
一見とっつきやすいタイトルだが難易度は高く、摂関〜院政期の政治・宗教史について水準以上の知識が必要で、自分程度の半可通ではなかなか理解が及ばなかったのが悲しい。著者が商売っ気のある人なら、この本を元手に一般ウケしそうな新書・選書を何冊も書けるのではないか。現代人とは似て非なる平安貴族の精神世界。例えば病人を苦しめる死霊や鬼神を別の人間に憑依させて正体を暴く「ヨリマシ」の術など、少年マンガの設定にも使えそうな話がたくさん出てくる。2024/10/03
渋江照彦
4
面白かったです。平安時代の夢に関する事象に興味のある方は是非、という所でしょうか。2015/08/27
ピロン
0
平安貴族が病気とどのように戦ったのか。夢合わせ、夢の解釈、悪夢と慎み。平安時代の人々の心理も、現在人と あまり変わりがないようにも思える。2018/06/17