内容説明
幸福とは何であるか、哲学の根本問題を平明な言葉で綴る不朽の古典。清新な日本語訳、ついに成る。
目次
人生の目的
“性格の徳”と中庸説
“性格の徳”の構造分析、および勇気と節制
その他の“性格の徳”および悪徳
正義と不正
思考の徳と正しい道理
抑制のなさと快楽の本性
友愛
快楽の諸問題と幸福の生
著者等紹介
朴一功[パクイルゴン]
甲南女子大学教授。1953年京都府生まれ。1985年京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。2001年甲南女子大学助教授を経て現職。2000年京都大学博士(文学)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
buuupuuu
14
人間にとっての善とは幸福であり、幸福とは徳に基づく魂の活動であるとして、徳に関する事柄が論じられる。中盤から後半にかけて、正義とはなにか、行為に理性はどう関わるか、意志の弱さをどう説明するか、快楽は一概に責められるべきものなのかといった面白い話題が続く。特に面白かったのは8、9巻の友愛論で、真の友愛とは徳に基づくものであると説明されている。一般に解されるのとは異なり、善き人とは自分を愛する者であるというのもなるほどと思った。テキストにアリストテレス個人の経験の反映を読み取る「解説」も読み応えがある。2023/03/18
roughfractus02
9
ソクラテスの「一番大切なことは単に生きることそのことではなくて、善く生きることである」(『クリトン』)の言葉を、著者は「善く生きる」を「幸福に生きる」と捉えた。対象や自己との関係が中心の哲学で他者との関係をテーマとする倫理学の書である本書は、関係としての自己から紡ぎ出される善、最高善、徳、正義、愛を、快楽を抑制する関係概念と捉え直し、自己との関係に再編成する。これら概念として分類された他者との関係は、なかでも幸福を生きることを最終目的とし、中庸を旨とする自己との関係の実践へ向かう。とても読みやすい邦訳だ。2026/02/22
たけぞう
6
解説で詳しく述べられるとおり、アリストテレスの「講義ノート」として書かれた作品であるため、行間を補ったり前の言及を特定したりしながら読まなければならない著作だが、わかりやすい訳文と丁寧な訳註がそれらの助けとなる。徳、友愛、快楽など、われわれがたまに考えを巡らせるような内容について、大哲学者がどう考えどう語ったかを追っていくのはとても面白いし、時々「ああ、あるよねこういう場面」と笑ってしまったりする。章題を頼りに興味のある巻から読むこともできるだろう。2014/08/11
スズツキ
4
岩波版より抜群に読みやすい。また、先行するソクラテスやプラトンの哲学を下敷きにしているため、本来はそれ相応の知識が必要だが、訳注まで充実しいるためあまり気にしなくてもいい設計になっている。今作は究極の目標である幸福について論じられているが、その過程である知識=哲学への論説が見事。各種情念や中庸やプラトンのイデア否定については短くまとめられるので、これは倫理用語集などで補完可能か。2015/02/03
ゲニウスロキ皇子
3
いわゆる中庸を説いた名著。射程の広さに圧巻。さすが晩学の祖!第5巻では貨幣の通訳可能性に言及すると同時に、そこに共同関係を看破したことは、まさに慧眼というほかない。アリストテレスにプラトンよりも強い人間味を感じるのは、人の社会性をより重視している点だろう。第8巻の「愛する友なしには、たとえ他の善きものすべてもっていたとしても、だれも生きてゆきたいとは思われないであろう」はけだし名文である。また、訳者の後書きも非常に充実しているので、興味のある方はぜひ!2017/09/09
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