内容説明
物価に加えて要素価格や生産も含めた地域差を中心にすえて近世市場経済の構造と変動を解明する。いわゆる市場経済の成立の機制と運動は、生産物価格や要素価格、生産データの時系列的変化、それらの多変数の相互依存関係、地方差の存在と解消のプロセス、さらに、時系列における長期的趨勢と短期的循環等、多面的な考察を必要とする。本書はコンピュータを研究支援ツールに、これらに自覚的に挑戦した新しい研究を呈示している。
目次
物価史とその周辺
京都における物価と賃金の変動
物価と賃金の地域差
生産物価格の変動と反収および肥料価格の時系列
物価の地域差と米価・豊凶循環
地方における物価と生産の新データ
近世後期における米価の地域差
移行期における米価変動と地域差
近世後期越前における米価の地域差
近世の市場経済と地域差