感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
42
元本は1989年刊。赤塚不二夫、藤子不二雄らの漫画+昔語り。半分はトキワ荘を偲んだもの。話の内容が70年ほど前の事で、歴史的記録と言える。61才の私にも感覚の古さは歴然だけど、昔だって人は懸命に生きていたし、認められたかったと分かる。夢破れて去った人も新たな道を模索するわけで、本書にはそうした方の寄稿も含まれる。泣けてくるのも仕方ない。食べ物の話は切実で面白い。寺田ヒロオがキャベツだけ、又は大根だけで献立を作るさりげないコマなど。石ノ森章太郎の作品はセリフが無く、同居の姉が亡くなった描写があまりに悲しい。2023/02/26
りんご
35
これはお宝本でしたねえ。隣市の図書館さま、蔵書しててくださってありがとうございます。13名の漫画家さんと1名の編集さん、各人の「トキワ荘物語」と作品、エッセイ3点セットで構成されてます。手塚先生はエピソード0って感じなんですな。既に神様だった様子。住んでないけど入り浸っていたつのだじろうの語りが良い。私は作品を作る人がどんな人かはあまり興味がないタイプですが、こうやって知れば知っただけ興味は深まります。2022/03/04
みのにゃー
5
処分前の再読。神様の手塚治虫と13人(漫画家12人と編集者1人)のトキワ荘をめぐる思い出。赤塚不二夫、石ノ森章太郎、鈴木伸一、つのだじろう、寺田ヒロオ、永田竹丸、長谷邦夫、藤子不二雄、水野英子、守安なおや、よこたとくお、横山孝雄、丸山昭(編集者)。皆貧しく、皆漫画が大好きで、純で。昔を懐かしむのは好きではないが、この時代だったからこそ出来た事もあるだろうと思う。思い出だけでなく、それぞれの作品が載っているのも楽しめる。2019/05/28
yuu-classic
2
手塚治虫先生を始め、トキワ荘組が自身の思い出を題材にCOM誌上で競作した作品群や石ノ森章太郎先生主催の東日本漫画研究会回覧紙「墨汁一滴」から引用した原稿など資料的価値は随一。また、この文庫本に掲載されている漫画の質も非常に高く、ぜひ読み、手許に保管すべき1冊です。2023/10/15
ワタナベ読書愛
2
トキワ荘に住んだ人・ご縁があった人が集って当時の思い出漫画と昔の作品、随筆を寄せる夢の競演。 赤塚不二夫、石ノ森章太郎、鈴木伸一、つのだじろう、手塚治虫、寺田ヒロオ、永田竹丸、長谷邦夫、藤子不二雄、水野英子、森安なおや、よこたとくお、横山孝雄、丸山昭。 1952年:棟上式~1982年の解体までの期間、多くの後の漫画の世界を牽引することになる作家たちが若い時代を過ごし、当人も漫画も大きく成長していった。努力の尊さと、一人暮らしの汗臭さがリアルに感じられる。人間が真剣に生きて志を遂げる軌跡を辿れる一冊。2020/12/03
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